豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議への第二回公開質問状

 6月5日付で提出しました第二回公開質問状の全文を掲載します。

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豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議     
座長 平田 健正 様

 

2017年6月5日 
豊洲移転中止署名をすすめる会

 

豊洲市場における土壌汚染対策等に関する

専門家会議への第二回公開質問状

 

 4月3日付で専門家会議への「公開質問状」を提出しましたが、現在に至るまで質問内容に対する回答がありません。
私たちは5月18日の第6回専門家会議に傍聴者として参加しましたが、そこでの傍聴者との質疑応答や提出された資料には、前回質問状に加えて多くの問題点があることを痛感しました。あらためて専門家会議に対して公開で質問いたします。4月3日付「公開質問状」も含めて誠実に回答することをもとめます。回答は6月15日までに文書にて提出ください。

 

1、 第6回専門家会議で、平田座長は豊洲新市場予定地の現状が、環境基準を満たしておらず無害化されてないことを認めましたが、重大なことは将来にわたって「無害化することは難しい」「環境基準を達成するというのは目標にしていません。できません」と発言したことです。この発言は、東京都が2011年の都議会で正式に表明した方針(無害化された安全な状態にするために①土壌汚染対策を確実に行う②東京ガス豊洲工場の操業由来の汚染物質をすべて除去、浄化する③地下水の汚染も環境基準以下とする)の否定であり、市場関係者との移転にあたっての約束を一方的に破棄するもので、とても容認できません。
 専門家会議が2011年の都議会で東京都が示した方針の立場にたつと約束することを強く求めます。明確な回答をしてください。
 第6回専門家会議で提案する予定だった豊洲予定地の汚染対策が、無害化できない、環境基準達成を目標にしないという立場から出されているのならば、その汚染対策自体が前提を満たしておらず、検討に値しないと考えます。無害化した安全な状態にする、汚染物質をすべて除去、浄化する、地下水は環境基準以下にすることを前提にした汚染対策を再提出する必要があります。明確な回答を求めます。

2、 第6回専門家会議で示された豊洲予定地の土壌汚染の現状認識は、あまりにも実態とかけ離れていると言わざるをえません。東京都および専門家会議は、ベンゼンで環境基準の最大100倍や高濃度のシアン化合物が地下水から検出されても、5街区の1カ所は土壌に汚染が残っている可能性があるが、あとは地下水に残された汚染水が検出されたに過ぎないという説明をしてきました。
これに対して土壌を専門にしている研究者からは、豊洲予定地は石炭ガス工場が残したコールタールなどが汚染原因となっているのだから、地下水が高濃度で汚染しているということは土壌にコールタールなどの汚染物質が残っていると考えるのが当然であると批判しています。第6回専門家会議でも傍聴者からそういう批判がだされました。なぜ5街区の1カ所を除いて土壌には汚染が残ってないと判断したのか、1ヵ所以外の土壌の中には汚染物質がないという科学的根拠を明確にして説明すべきだと考えます。回答を求めます。
 さらに「地下水(間隙水)だけに汚染が残っている」という専門家会議の判断は、深刻な矛盾にぶつかっています。昨年10月から本格的に稼働した地下水管理システムは今年4月末までの約半年間で26,928㎥、約2万7千トンの大量の地下水を排出しました。さらに、地下ピットの溜まり水(これも多くは地下水からの流出)も強制排水によって4月末までに30,256㎥も排出、合計で約5万7千トンの地下水を排水していても、地下水汚染は第9回モニタリング調査と比べ、再調査さらに4月の再度の調査で検出された有害物質は濃度を増しています。これでは「地下水(間隙水)に汚染が残っている」という専門家会議の現状認識では説明できないのではないでしょうか。少なくとも土壌の中の汚染、コールタールの残置の可能性を視野に入れて、本格的な土壌の実態を調査すべきではないでしょうか。明確な回答をもとめます。

3、 第6回専門家会議では市場施設下にある地下ピットの現状に対する認識でも、重大な問題点が明らかになりました。東京都環境局は、傍聴者の意見に対してピット底部の砕石層がむき出しになっている部分について「砕石層は盛土と同じ」と表明しました。地下ピットの地下に高濃度のベンゼン、シアン化合物で汚染された地下水があり、その汚染地下水が砕石層や簡易コンクリートを通じてピット内に流入している事態になっても「盛土と砕石は同じ」として、その危険性に目を向けない姿勢は許されるものではありません。環境基準を超える汚染地下水が地下に存在する場合、それを封じ込めるためには、土壌汚染対策法や施行令、ガイドラインでは深さ50㎝以上の盛土に替わるのは、厚さ10㎝以上のコンクリートもしくは厚さ3㎝以上のアスファルトとなっていますが、環境局が「砕石が盛土と同じ」と発言した根拠は何か、回答を求めたいと思います。また、専門家会議はこの環境局の見解を同意するのか、明確な回答をもとめます。
第5回専門家会議では、地下ピットの状態を将来に汚染地下水が気化、揮発し市場内部に侵入するリスクとして提示しています。現在の地下ピットの状態、底部の現状は、将来に「健康被害を生じるおそれがある」状態であるというのが専門家会議の判断と考えてよいのですね、明確な回答を求めます。

4、 第6回専門家会議では豊洲予定地の液状化対策について、市場施設内はレベル2(震度6強対応)で、施設外の土地はレベル1(震度6弱対応)となっていますが、レベル1の施設外は震度6強以上の地震に対応できるかとの前回会議の質問に対して、「市場問題プロジェクトチームに問い合わせたところレベル1でも対応できる」との回答だったと報告されました。しかし、その根拠については、プロジェクトチームの資料は添付されていたものの、その説明もなければ、それを検証もしませんでした。なぜレベル1で対応できるのか、根拠を明らかにすることを求めます。プロジェクトチームの見解に対して地震や液状化を専門にしている研究者などによる検証が必要であると思いますが、見解をもとめます。
同時に、豊洲予定地は隅田川河口の浚渫土によって埋め立てられた軟弱地盤です。東京が震度6強なら震度7以上になることは必定です。地下に高濃度の汚染物質が残っている豊洲予定地で液状化、噴砂がおきれば、市場機能は長期にわたってマヒします。震度7以上の地震にレベル1、レベル2は対応できるのか、この点も回答を求めます。

5、 専門家会議の議事進行の問題です。今回の専門家会議の目的の第一が「地下ピットがある状態の確認と評価」です。この地下ピットがある状態、豊洲予定地の土壌汚染の現状について認識の一致がなくては、その対策の検討に入れないと考えます。現状では、市場関係者や都民から専門家会議が提示している現状認識について様々な意見、疑問が出されています。この意見、疑問にきちんと答えることなくして、今後の汚染対策の議論に入ることはできません。
 次回の専門家会議では、現状認識についての市場関係者や専門家、都民の疑問に答えることをしっかりやり、時間をかけて議論し、認識を一致させることを最優先した議事進行することを強く求めます。回答を求めます。
 
以 上