築地市場内の「土壌汚染」問題についての    専門家のコメントをお届けします。

 

昭和初期に埋めたてた築地市場の土壌について

 

 NHKの報道によれば、東京都が4年前に行った築地市場の土壌調査で、有害物質が検出されているとの報告がありました。
 内容は、東京都によりますと、有害物質は、築地市場の敷地を通る環状2号線の整備に向けて東京都が平成25年に行った土壌調査で検出され、ひ素が環境基準の2.4倍に当たる1リットル当たり0.024ミリグラム、フッ化物が環境基準の1.6倍に当たる1.3ミリグラムが検出されたということです。
 現場は、市場の敷地の南側にあり、昭和初期に埋め立てられた場所で、現在は環状2号線の橋を支える台が整備されているところです。埋め立てられた土壌が若干汚染されていたのかも知れない。調査地点の近くにある、敷地内の別の場所の土壌も過去に調査しましたが、環境基準を上回る有害物質は検出されなかったといっています。

 

 以上の結果について、今回検出された敷地土壌は昭和初期に埋め立てられたもので築地市場の端にある土地であり、本来の築地土壌とは別由来のものであります。
 検出されたひ素やフッ化物も低濃度であり、また、この地点近くにある別の地点の土壌には有害物質は検出されなかったと報告されております。なお、この地域のひ素およびフッ化物は自然由来であるともいわれています。したがって、上記の調査結果から本来の築地土壌が汚染されているとはいえません。

 

 また、戦後進駐軍のクリーニング工場等があったといわれている所は上記の場所ではありません。また、他の地域から汚染物質が検出されたという報告は見当たりません。

 

本間 慎(東京農工大学名誉教授・フェリス女学院大学元学長)